用益者カ担保ノ一分ニ非サレハ供スル能ハサルトキハ引渡ヲ受ク可キ用益物ニ付キ其担保ノ限度ニ応シテ選択ヲ為ス*1
【現行民法典対応規定】
なし
今村和郎=亀山貞義『民法正義 財産編第一部巻之一』(明治23年)
※以下は同書を現代語訳したものです。意訳した部分もあります。気になる部分については原文をご確認ください。
326 全額を提供することができない場合には、提供することができる限度で用益物の引渡しを請求することができます。また、初めに用益者がまったく担保を提供せず、以後その一部を提供する場合にもまた本条によって処分します。本条は主として用益権の開始の時につき規定をしたものですが、その継続中でもまたこれを適用すべきことはもちろんです。また、継続中に用益者が担保の全額を提供することができるに至った場合には、用益物の全部の引渡しを請求することができます。
その一部のみを引き渡す場合には、数個の用益物の中でいずれを取るかは用益者の選択に任せています。
*1:用益者が、担保の一部でなければ提供することができないときは、引渡しを受けるべき用益物についてその担保の限度に応じて選択する。