【日本民法】条文総まくり

旧民法から現行民法まで。1条ずつ追いかけます。

財産編第157条【当事者の権利・義務等】

1 当事者相互ノ権利及ヒ義務ハ永貸借ノ設定契約ヲ以テ之ヲ定ム*1

 

2 特別ノ合意ナキトキハ下ノ規定ニ従フノ外通常賃貸借ノ規則ニ従フ*2

 

【現行民法典対応規定】

第273条 永小作人の義務については、この章の規定及び設定行為で定めるもののほか、その性質に反しない限り、賃貸借に関する規定を準用する。

 

亀山貞義『民法正義 財産編第一部巻之二』(明治23年)

※以下は同書を現代語訳したものです。意訳した部分もあります。気になる部分については原文をご確認ください。

 

84 本条によれば、永貸人、永借人各自の権利・義務は、永貸借設定契約で定めるところに従うべきことを通例とし、その契約で定められていない場合に限り、以下の数か条の規定、通常の賃貸借の規定に従うべきこととされています。そのため、期間だけを除き、その他は民法の規定に反するものでも当事者間で自由に合意することができます。つまり、永貸借について当事者が遵守すべきものは、第1に合意で定めた事項、第2に永貸借についての特別な法律の規定、第3に通常の賃貸借に関する法律の規定、ということになります。

*1:当事者相互の権利及び義務は、永貸借の設定契約によって定める。

*2:特別の合意がないときは、以下の規定に従うものとするほか、通常の賃貸借の規定に従うものとする。