1 物ハ所有ニ属スルモノ有リ所有ニ属セサルモノ有リ*1
2 所有ニ属スル物トハ公私ノ資産ノ部分ヲ為スモノヲ謂フ*2
3 所有ニ属セサル物トハ無主又ハ公共ノモノヲ謂フ*3
【現行民法典対応規定】
なし
今村和郎=亀山貞義『民法正義 財産編第一部巻之一』(明治23年)
※以下は同書を現代語訳したものです。意訳した部分もあります。気になる部分については原文をご確認ください。
112 所有に属する物には権利が存します。所有に属しない物には権利は存しません。これがこの区別の要点です。
物は一度所有に帰すると、必ず財産となります(この財産は物を指します)。そのため、本条では「資産の一部を構成する」としています。そして、資産には公私の区別があります。この区別は、次条に詳しく規定されています。
所有に属しない物には2種類あります。「無主物」と「公共物」です。無主物は第24条に、公共物は第25条に詳しく規定されています。
以下の各条には公の資産が掲げられており、私の資産については触れられていません。民法の財産に関するすべてが私の資産についての規定なので、これについて触れる必要がないからです。